学修レベル認定制度

学生の学修意欲を高める動機付けに

 工学部/工学研究科では、単位制の下で備わった知識を総合力として生かす力を評価し認定する制度として「学修レベル認定制度」を開始します。この制度は、GPA(Grade Point Average) 制度のような個々の科目の成績の平均値とは異なる物差しで、学生の「学修到達度」をプラスに評価し、大学での座学だけでなく様々な指標で能力を高める「動機付け」を行うことを目指しています。このレベル認定は、学生の学修する意欲を高めることと、教育の付加価値を高めることを目的とするもので、このレベル認定を受けなくても工学部/工学研究科の教育目標は達成でき、従来の単位制に基づく卒業生/修了生の質保証はなされています。

 レベル認定制度では、様々な能力を持った学生に対し、従来の座学中心の成績評価だけではなく、「新しい価値の創造」に必要な能力である、①基礎学力、②専門学力、③課題解決/論理展開力、④語学(英語)力、⑤価値創造力の5つのジャンルについてレベル基準を設け、各々の力を評価します。これらは、あくまで個人レベルの能力指標です。各学生が大学教育の中で「個」として自らの能力を伸ばす努力をし、その際、自分の強み弱みは何かに気付き、様々な授業体験や自学自習、また社会経験を経て能力を伸ばしていく一助になることを目指しています。

社会における価値創造に必要な能力

自然の摂理の発見や機器の発明だけでなく、身近なものに内在する価値を見出し膨らませることも「新しい価値の創造」です。ますます複雑で困難な課題を抱える社会の中では、新しい視点や価値観を創り出す力が必要とされています。そのために必要な能力を5つに分けました。①基礎学力と②専門学力については、体系的に理解して活用可能な形で修得することが必要です。③課題解決/論理展開力は、取り組む課題に対して知識(①と②)の中から必要なツールを選び、論理的に試行錯誤を繰り返し、情熱をもって最後までやり遂げる力です。④語学力は、多様な他者を理解し、自分の考えを発信する力であり、⑤価値創造力は、社会が抱える様々な課題の中から取り組むべき課題を的確に選択し、自分が持つ様々なツールを駆使して社会の中に新しい価値を創り出す力です。

社会における価値創造に必要な能力

物事を広く深く理解し、解決すべき課題を適切に選んで進む力
(課題解決/論理展開力、価値創造力)

社会にはすぐには解決出来ない課題が山積しています。これらの課題は、まさに「山」です。多くの「山」(課題)の中から「登るべき山の価値を見い出し適切に選択する力」(価値創造力)、「より高い山に登るためのツール」(課題解決/論理展開力)を身につけることが必要とされています。

自分のレベルをレーダーチャートにて毎年確認

各ジャンルともレベル1~7で到達度を表します。 学生各自が前年からのレベルアップを確認できます。レーダーチャートで示すことによって、自分がどの能力が強いか弱いかを自覚でき、卒業までに自身で鍛えていく方向性を見出すことに役立ちます。

自分のレベルをレーダーチャートにて毎年確認