基礎教育

工学部で必要な英語

技術者および研究者として社会で活躍するためには、自分達の技術や研究の価値を国際的に発信する能力、および、世界の技術や研究の動向をいち早く把握する能力が必要とされます。そのためには、各分野の専門力の他に、国際公用語である英語をツールとして運用する能力が求められます。高校までに学んできた一般的な英語と違って、大学では英語の論文や資料を読んだり書いたりする機会が増えるため、学術英語(Academic English)の能力を付けることが重要になってきます。

工学部のカリキュラムでは、1~2年次に全学教育の英語A~Cで一般的な学術英語を学びます。併せて、専門科目の工学英語Ⅰで「読む・書く」の基盤を学び、アカデミック・リーディングで具体的な科学技術英文を読み解きます。3~4年次では、各学科専門科目の工学英語Ⅱでエッセイやプレゼンテーションを学び、研修で専門的な学術論文を読んで発表するようになります。

入学時に配布するEnglish Learning Bookletには、学術論文の一般的な構成、レポートの書き方、キャンパスで使う英語などが載っていますので、自ら学んでいきましょう。

工学英語Ⅰ

工学部を卒業する学生の多くはエンジニアや研究者になっていくことでしょう。世界で通用するためには、エンジニアも研究者も、クローバルな環境で世界中の相手とコミュニケーションをとる必要がありますし、英語で発表される最新情報を常に手に入れなければなりません。こうした中で、英語を「聴く・話す」能力とともに、論文や報告書を日常的に扱うための「読む・書く」能力の強化は大変重要です。

本講義では、工学的な文章も用いながら、「読む・書く」能力の基盤となる文法力としてTOEFL ITP®に対応できる力の向上を目指します。

アカデミック・リーディング~科学技術英文を読み解く~

アカデミック・リーディングとは、主に記事や論文に出てくる学術英語を読み解く方法です。学術英語で書かれた文章に初めて出会う際には、知らない言い回しや専門用語がたくさん出てきて大変そうに感じるかもしれませんが、地道にやっていくうちに次第にその面白味がわかってスラスラ読めるようになってきます。

本講義では、アカデミック・リーディングの一環として、新聞、雑誌、専門誌に掲載された科学技術に関する記事・論文を用いながら、英語構文の構成や論理展開の手法について学び、多方面の科学技術に関する情報収集力を養うことを目指します。

アカデミック・ライティング

技術者や研究者として社会に貢献するためには、自分達の研究や技術がどんなに素晴らしいものであるかを、世界に向けてアピールする力が必要です。また、世界中で行われている最新の研究や技術動向を把握することも大切です。そこで、自分の意見や考えを相手に伝えるために、論理的にまとめられた文章を書く力を身につけることが必要です。これは、日本語と英語に共通する重要な能力であり、3年生以降に各学科で実施される研修(英語の学術論文を読み、内容を理解し発表する研修)や4年生で取り組む卒業研究の際に必要となる基礎力です。

本講義では、論理的に構成された文章とはどのようなものかを良い文章例を分析することで学び、様々な分野の日本語/英語の素材(比較的長い文章、映像、スピーチなど)を読み解いて要約作成や意見記述などの文章を実際に書いて推敲する演習を行います。